新電力上位10社・売上順に最安の会社をコツコツ調査【1社目・東京ガスでんき】

新電力家庭用小売上位20社の中で最安の会社をコツコツ調査

2023年春となり電気代も落ち着き始めました。政府の激変緩和措置(1kWhあたり7円で3,353円割引)のおかげも大きいですが、2023年4月の電気代は479kWh利用して13,165円なので心穏やかです。

ただ今後の認可次第ではありますが、2023年6月以降電気代が更に高騰します。多くの人が使う地域電力会社の値上げが見込まれるためです。(東北電力・東京電力・北陸電力・中国電力・四国電力・沖縄電力・北海道電力の7社)

現在我が家は東京電力のアクアエナジー100を利用しており燃料費調整単価の高騰とは関係がなく、東京電力から料金見直しをしない旨の手紙も頂きましたが、いつまでもこの電力プランがあるとは限りません。2023年1月には新規申し込みの停止をしていますので、油断できません。なので現状どこの電力会社が一番安価なのか自分で調べてみます。

価格比較サイト全盛ですが、自分がお仕事で稼いだ大事なお金ですので、自分で調べないと気が済みません。面倒なキャラクターですが、調査してみました。

電気代最安調査の条件

世の中には調査会社が沢山あります。プライベート・仕事で関わった事のある人も多いかもしれませんが、調査をする際に大事なのが、最初の条件決めです。自分がスッキリできるよう考えてみました。

最安電気会社調査条件

  1. 全国展開型の会社→売上ランキング上位20社に変更
  2. 最安の基準値は40A・500kWh利用
  3. 燃料費調整単価上限の有無

電気事業は体力勝負の面もありますので、企業体力として全国規模である事を第一条件にしました。契約アンペアは多くの人が使う40Aとし、電力会社が公表している平均使用量より多めの500kWhとしました。(数値のトラップで平均値はあまり納得感がないので)燃料費調整単価はもちろん上限ありで探します。現在アクアエナジー100を利用しているので1kWhの単価が30円を超えた時点で高いという気持ちになってしまいますが、この感覚は恵まれすぎています。【2023年4月1日以降の価格表】
【As-Is】【To-Be】
現行単価には燃料費調整額が含まれています。燃料費調整額を従量料金に一旦組み込んで単価を設定予定です。(審査中)



調査リストを作成→変更前

電力の小売りをするためには届け出が必要です。なので資源エネルギー庁のサイトに登録業者の一覧が掲載されています。2023年2月17日時点でなんと724事業者もいます。個人の調査能力を超える件数ですが、フィルターをかける事で個人でも確認が可能です。

  1. ホームページをctrl+Aで全部選択してコピー
  2. 無料エクセルに貼り付けてフィルターで絞る

以前は資料の確認は目検でしたが、今は何でもエクセルです。フィルターやピポットでエクセル上ですぐに確認が出来ます。現在営業をしている全国型(一部沖縄県を除く)は53社です。便利な時代になりました。(節約で家のパソコンは無料エクセルでピポットが使えず少々不便です)

こんな感じでエクセル上で絞れますので、地域限定の会社を見つける事も可能です。数は多くないので全部調べて納得の電力会社を探すことが出来ます。

調査リストを作成→変更後

新電力は約700社ありますが、燃料価格の高騰もあり市場から撤退・新規の契約停止の会社も多く、調べてもなかなか最安値にいきつきません。なので、実際に販売している会社の上位20社から最安の会社を探すことにしました。実際に契約している人がいらっしゃるという安心感もあります。

データは資源エネルギー庁の「電力調査統計」から頂きました。2023年4月4日に2022年12月のデータ公開で約3か月まえですが、大きくは変わりません。知りたいデータがあるって素晴らしいです。

契約数は1契約300kWhとして割り算をしただけです。東京ガスが300万世帯契約(ホームページで公表)ですので、1家庭の平均は300kWhとしました。参考データですが、売上規模が分かると思います。

大手企業が並びますので、選択を間違えなければ倒産を心配する事なく契約が出来ます。

事業者名(2022年12月分) 低圧計(1000kWh) 契約数推測 確認結果
東京ガス株式会社 923,661 3,078,870
SBパワー株式会社 573,725 1,912,417
大阪瓦斯株式会社 468,145 1,560,483
auエネルギー&ライフ株式会社 406,086 1,353,620
ENEOS株式会社 358,763 1,195,877
株式会社ハルエネ 223,191 743,970
東邦ガス株式会社 210,289 700,963
NTTアノードエナジー株式会社 174,468 581,560
楽天エナジー株式会社 107,409 358,030
株式会社オプテージ 96,766 322,553
大和ハウス工業株式会社 96,632 322,107
株式会社Looop 93,477 311,590
株式会社PinT 84,538 281,793
株式会社ジェイコムウエスト 83,154 277,180
株式会社エネワンでんき 79,732 265,773
株式会社ジェイコム東京 77,889 259,630
株式会社グランデータ 76,865 256,217 検討対象外
株式会社CDエナジーダイレクト 75,048 250,160
エバーグリーン・リテイリング株式会社 75,004 250,013
日本瓦斯株式会社 73,842 246,140

東京ガス電気(売上ランキング1位)

売上2兆円を超える巨大企業です。東北地方の雄・東北電力の売上も2兆円ですので、巨大送電網を持つ電力会社と競争できる企業体力を持っています。

東京電力と顧客層が重なりますので、電力・ガスの小売り自由化以降激しいシェア争いが行われてきました。電気小売り市場から撤退する企業もあるなか、基本料金3か月無料のキャンペーンを2023年3月31日まで開催していました。

ガス・電気の契約で2契約の家庭もあると思いますが、アカウント数でみると日本人の10%は東京ガスの顧客です。凄い規模です。

最安電気会社調査条件

  1. 全国展開型の会社→売上ランキング上位20社に変更→OK
  2. 最安の基準値は40A・500kWh利用
  3. 燃料費調整単価上限の有無

最安の基準値は40A・500kWhで検証(エリアは東京電力管内)

東京電力の単価は現在審査中ですが、値上申請は圧縮され2023年3月30日に再提出されています。また今後の単価は未定(未公表)です。なので分かりやすく比較を行うために、現行の料金単価で比較します。東京ガスの電気を申し込める人は首都圏のみです。

【As-Is・東京電力単価】【As-Is・東京ガス電力単価】

  1. 第1段階料金 120kWhまで 1kWh →19.78円
  2. 第2段階料金 120kWhを超え300kWhまで→25.29円
  3. 第3段階料金 300kWhを超えたもの→27.36円(10%安価)

東京電力と料金体系は一緒ですが、3段階目料金が安価です。300kWh以上使う家庭も多いと考えますので素晴らしい料金体系です。続いて基本料金も確認します。

  1. 10A 286.00円(東京電力は295円24銭)
  2. 15A 429.00円(東京電力は442円86銭)
  3. 20A 572.00円(東京電力は590円48銭)
  4. 30A 858.00円(東京電力は885円72銭)
  5. 40A 1,144.00円(東京電力は1,180円96銭)→約3%安価
  6. 50A 1,430.00円(東京電力は1,476円20銭)
  7. 60A1,716.00円(東京電力は1,771円44銭)

300万契約を勝ち取るだけはあります。基本料金も東京電力より安価です。

東京ガス電気 VS 東京電力従量電灯B

試算に際しての条件の一つである燃料費調整単価上限の有無の時点で、東京ガスの電気は燃料費調整単価上限なしなので従量電灯Bの勝利ですが、考え方は様々ですので条件2(金額)で試算します。

最安電気会社調査要件

  1. 全国展開型の会社→売上ランキング上位20社に変更→OK
  2. 最安の基準値は40A・500kWh利用→チェック
  3. 燃料費調整単価上限の有無

燃料費調整単価は東京電力2023年5月を参考にしました。東京電力の従量電灯Bは上限止めで5.13円です。

一方で上限の無い東京ガスの電気の燃料費調整単価(2023年5月分)は9.13円です。東京ガスは電気をまとめるとセット割で0.5%割り引かれますが、電気ガス合計で20,000円として100円の割引です。燃料費が4円違うので、500kWhなら2,000円になります。100円割り引かれても・・と即思ってしまいます。

40A・500kWh利用で試算 東京電力
従量電灯B
値上前
【調査対象】
東京ガス
【参考】
アクアエナジー
40A基本料金 ¥1,180.96  ¥1,144.00  ¥2,244
最初の 120kWh まで単価 ¥19.91  ¥19.78  ¥23.86
最初の 120kWh まで料金 ¥2,389  ¥2,374  ¥2,863
120kWh超300kWhまで単価 ¥26.51  ¥25.29  ¥23.86
120kWh超300kWhまで料金 ¥4,772  ¥4,552  ¥4,295
300kWh超単価 ¥30.60  ¥27.36  ¥30.60
300kWh超料金 ¥6,120  ¥5,472  ¥6,120
再生エネルギー賦課金(1.40円) ¥700  ¥700  ¥700
燃料費調整単価 ¥5.13  ¥9.12
燃料費調整料金 ¥2,565  ¥4,560
激変緩和措置 -¥3,500 -¥3,500 -¥3,500
電気代合計 ¥14,227   ¥15,302   ¥12,722 

東京ガス電気の考察

300万契約を獲得する力がありますので、基本料金・電気従量単価は安価であり、燃料費調整単価が高騰しない時代ならお得な料金プランです。とてもいいプランだと考えます。ただ燃料費調整単価が高騰している時は、従量電灯Bに切り替えたほうがお得です。

500kWh利用の場合で1,075円の差がありました。年額で12,000円ですので大きな差です。東京ガスの契約者が東京ガスの電気にするとセット割引がありますが、電気15,000円・ガス10,000円としても、わずか125円の割引で、燃料費の差分を埋める事は出来ません

なにかと話題の平均燃料価格は2022年9月~11月をピークに落ちてきています。ただし今後の事は分かりません。トレンドどおり下がってくれば、契約する価値のあるプランです。500kWh利用であれば燃料費調整単価が7円を切ってくれば東京ガスの方が安価です。

ただ現状は切替せず様子見がよいと考えます。巨大企業東京電力と真っ向勝負の会社です。

平均の貿易統計期間 平均の貿易統計価格 燃料費調整単価 対象月
2022年8月~2022年10月(関東) ¥100,200 ¥12.99 2023年1月
2022年9月~2022年11月(関東) ¥100,400  ¥13.04  2023年2月
2022年10月~2022年12月(関東) ¥94,600 ¥11.69 2023年3月
2022年11月~2023年1月(関東) ¥88,400 ¥10.25 2023年4月
2022年12月~2023年2月(関東) ¥83,900 ¥9.21 2023年5月

最安電気会社調査要件

  1. 全国展開型の会社→売上ランキング上位20社に変更→OK
  2. 最安の基準値は40A・500kWh利用
  3. 燃料費調整単価上限の有無→無し

調査結果(40A・500kWh)→リストを更新

事業者名(2022年12月分)
40A・500kWh利用で試算
低圧計(1000kWh) 契約数推測 確認結果
東京電力従量電灯Bとの比較
東京ガス株式会社 923,661 3,078,870 価格差108%
燃料費高騰時は見送り(7円以下目安)
SBパワー株式会社 573,725 1,912,417
大阪瓦斯株式会社 468,145 1,560,483
auエネルギー&ライフ(株) 406,086 1,353,620
ENEOS株式会社 358,763 1,195,877
株式会社ハルエネ 223,191 743,970
東邦ガス株式会社 210,289 700,963
NTTアノードエナジー(株)
(ドコモでんき)
174,468 581,560 2022年11月8日より新規受付停止中
楽天エナジー株式会社 107,409 358,030
株式会社オプテージ 96,766 322,553
大和ハウス工業株式会社 96,632 322,107
株式会社Looop 93,477 311,590
株式会社PinT 84,538 281,793
株式会社ジェイコムウエスト 83,154 277,180
株式会社エネワンでんき 79,732 265,773
株式会社ジェイコム東京 77,889 259,630
株式会社グランデータ 76,865 256,217 検討対象外・高すぎると炎上
株式会社CDエナジーダイレクト 75,048 250,160
エバーグリーン・リテイリング 75,004 250,013
日本瓦斯株式会社 73,842 246,140

動画で解説