リバイス版・規制電気料金の値上げ申請が東京電力から提出されました
2023年1月23日ついに東京電力から燃料費調整単価上限のある従量電灯Bの値上げ申請が資源エネルギー庁に提出されましたが、2023年3月30日リバイス版の値上申請が2023年3月30日に提出されました。
全国の3割以上のシェアを占める巨大企業の動きですので、この影響を受ける個人・法人はとても多いです。値上げ幅は圧縮されました。よかった。
要因はなにかと話題の平均燃料価格は2022年9月~11月をピークに落ちてきているという事実です。
平均の貿易統計期間 | 平均の貿易統計価格 | 燃料費調整単価 | 対象月 |
2022年8月~2022年10月(関東) | ¥100,200 | ¥12.99 | 2023年1月 |
2022年9月~2022年11月(関東) | ¥100,400 | ¥13.04 | 2023年2月 |
2022年10月~2022年12月(関東) | ¥94,600 | ¥11.69 | 2023年3月 |
2022年11月~2023年1月(関東) | ¥88,400 | ¥10.25 | 2023年4月 |
2022年12月~2023年2月(関東) | ¥83,900 | ¥9.21 | 2023年5月 |
2023年1月の東京電力の値上げ資料
【As-Is】規制料金の1kWhの平均単価は25.67円
【To-Be】
現行単価には燃料費調整額が含まれています。燃料費調整額を従量料金に一旦組み込んで単価を設定予定です。(審査中)資源エネルギー庁のサイトに東京電力が作成した資料が掲載されています。色々値上げの背景が記載されていますが、一番知りたいのは価格です。
規制料金の従量電灯B・自由化料金のスタンダードSともに同じ料金単価です。契約者間の公平性という考えがあるのか、今まであった規制料金の従量電灯に逃げ込む道に蓋がされてしまいました。
2023年1月の前回申請との違い
昨年冬に比べて直近の燃料価格が下落しており、発電に関わるコストが安価になったのが値下げ申請の理由です。今回は2022年11月~2023年1月の価格を採用していますが、更に1ヶ月ずれる2022年12月~2023年2月で考えると更に5%安価になっています。
巨大な組織ですのでQuickに動けない状況はありますが、2023年3月30日に2023年5月の燃料費調整単価を掲載している訳ですので、2022年12月~2023年2月の平均燃料価格(貿易統計)での算定は出来ないのかなと感じました。(決めるのは東京電力ですので感想です。)
先物価格市場も大幅に下落しています。35円から21円に下落です。先行き不安から価格の安定を求め先物市場が高騰していますが、現物のスポット価格を見ると2022年10月以降は25円以下です。株は現物派ですので、先物市場の動きは理解できませんが、先行き不安のリスクから高騰だったのだと思慮します。
東京電力で試算をしてみる(従量電灯B)
2022年11月の電気使用量は533kwhでした。今はアクアエナジー100に変えていますので前回は変更前の従量電灯Bで確認してみます。
- 基本料金は変更が無いようなので1,144円
- 120kwhは9.83円あがっていますので、34.84×120=4,181円
- 121-300kwhは9.83円あがっていますので、41.44×180=7,459円
- 301kwh以上は9.83円あがっていますので、45.53×233=10,608円
- 燃料調整単価は1.13円で試算→1.13円×533kwh円で、602円
- 再生エネルギー賦課金は同額の3.45円で1,838円を見込む
ざっくり試算すると、19,991円が25,832円に値上げです。値上げ前と比べると129.2%高すぎる。
今回は29.3%の値上げが17.6%との事なので、19,991円が23,509円で3,518円の値上です。値上抑制といっても高すぎます。2023年9月利用分までは激変緩和措置で3,731円の値引きに加えて再生エネルギー発電賦課金の2円値下げで1,066円値引きされますので合計で4,797円前年に比べて安価になっています。
激変緩和措置終了後の電気代が恐怖です。
燃料調整単価は見た目安くなりますが、そもそも値上げ
今回の値上げに至った原因は燃料調整単価が上昇しているにも関わらず、規制料金のため料金に転嫁できず、電力会社がその負担に耐えられなくなったという事です。
2023年1月の単価を見ると自由料金では、12.99円にも関わらず、従量電灯Bは5.13円です。差分の7.86円を東京電力が負担しています。これはきついですし、現実規制料金の部門も赤字に転落しています。2023年5月は9.21円の多少下がってきてはいますが、依然として差額を東京電力が負担しています。
燃料費調整単価は市場価格の影響を受けますが、計算の際に使用する基準燃料価格が大きく上昇しています。今までの44,200円から94,200円と倍以上です。
なので、2023年2月の平均燃料価格100,400円で計算をしてみます。計算をしてみると、燃料費調整単価は基準価格を上げたので、見た目安価になっていますが、従量分に吸収されているだけです。
- 100,400円(平均燃料価格)-94,200円(基準燃料価格)=6,200円
- 6,200円×基準単価0.183kwh=1,134.6円kwh
- 1,134.6円kwh÷1,000=1.13円
【2023年2月・燃料費調整単価計算資料】
【2023年5月・燃料費調整単価計算資料】
- 82,200円(平均燃料価格)-94,200円(基準燃料価格)=-12,000円
- -12,000円×基準単価0.183kwh=2,196円kwh
- 2,196円kwh÷1,000=-2.196円