2023年春値上げ以降の燃料費調整単価ランキング
2022年秋から地域電力会社の値上げ申請が続き10社のうち7社が申請する状況になっています。多くのニュースで案内のとおり燃料費調整単価の上昇が値上げ要因となっています。規制料金は上限が定められているため、燃料の原価が上がっても価格に転嫁できず電力会社にとって厳しい状態でした。
東京電力においては規制料金の従量価格を大幅にあげて規制料金と自由化料金の差がないようにしました。今回の値上げは燃料費の上昇分を従量分に上乗せして、燃料価格の評価をし直しています。
地域電力各社の値上げが開始する2023年6月以降各社の燃料費調整単価の上限額のランキングを確認・今後の対策を考えます。
2023年6月以降・従量電灯燃料費調整単価上限値ランキング昇順
- 九州電力・1.94円・2023年春の値上げ無し(平均燃料価格上限・41,100円)
- 関西電力・2.24円・2023年春の値上げ無し(平均燃料価格上限・40,700円)
- 中部電力・5.36円・2023年春の値上げ無し(平均燃料価格上限・68,900円)
- 四国電力・6.47円・2023年4月から値上げ(300kWh以上でも36.5円)
- 北陸電力・7.38円・2023年4月から値上げ
- 中国電力・8.52円・2023年4月から値上げ
- 東京電力・8.62円・2023年6月から値上げ
- 北海道電力・8.69円・2023年6月から値上げ(280kWh以上は50.8円・高い)
- 東北電力・9.39円・2023年4月から値上げ
- 沖縄電力・11.29円・2023年4月から値上げ(120kWhまででも40.29円・高い)
上下で5倍の開きがあります。電力各社の電源構成の差が単価にも影響しています。仮に500kWh使った場合、九州電力なら970円の燃料費調整負担ですみますが、沖縄電力なら5,645円の負担です。
政府の電気代補助施策で2023年9月まで1kWh当たり7円の補助が出ていますが、上限が高いと補助があっても燃料費調整で持っていかれてしまいます。
九州電力・関西電力・中部電力については2023年春の値上げが無く・燃料費調整単価の上限も安価ですので、従量電灯Bで国の値引き7円を受け取るのが得策です。2022年10月~2022年12月平均の貿易統計価格は94,600円(東京電力サイトより)ですので、平均価格が上限を超えており、差分を各社が負担している・し続ける状況です。
四国電力・2023年4月1日より値上げ予定
四国電力の特定小売供給約款変更認可申請書はネットで公開されていますので、誰もが確認できる状態です。計算式に沿って計算をしてみます。
- 燃料費調整単価 = (平均燃料価格 – 基準燃料価格) × 基準単価 ÷ 1,000
- 6.47円 = (120,500-80,300) × 0.161÷ 1,000
北陸電力・2023年4月1日より値上げ予定
北陸電力の特定小売供給約款変更認可申請書はネットで公開されていますので、誰もが確認できる状態です。計算式に沿って計算をしてみます。
- 燃料費調整単価 = (平均燃料価格 – 基準燃料価格) × 基準単価 ÷ 1,000
- 7.38円 = (119,000-79,300) × 0.186÷ 1,000
中国電力・2023年4月1日より値上げ予定
中国電力の特定小売供給約款変更認可申請書はネットで公開されていますので、誰もが確認できる状態です。計算式に沿って計算をしてみます。
- 燃料費調整単価 = (平均燃料価格 – 基準燃料価格) × 基準単価 ÷ 1,000
- 8.52円 = (120,500-80,300) × 0.212÷ 1,000
東京電力・2023年6月1日より値上げ予定
東京電力の特定小売供給約款変更認可申請書はネットで公開されていますので、誰もが確認できる状態です。計算式に沿って計算をしてみます。
- 燃料費調整単価 = (平均燃料価格 – 基準燃料価格) × 基準単価 ÷ 1,000
- 8.62円 = (141,300-94,200) × 0.183÷ 1,000
北海道電力・2023年6月1日より値上げ予定
北海道電力の特定小売供給約款変更認可申請書はネットで公開されていますので、誰もが確認できる状態です。計算式に沿って計算をしてみます。
- 燃料費調整単価 = (平均燃料価格 – 基準燃料価格) × 基準単価 ÷ 1,000
- 8.69円 = (132,200-88,100) × 0.197÷ 1,000
東北電力・2023年4月1日より値上げ予定
東北電力の特定小売供給約款変更認可申請書はネットで公開されていますので、誰もが確認できる状態です。計算式に沿って計算をしてみます。
- 燃料費調整単価 = (平均燃料価格 – 基準燃料価格) × 基準単価 ÷ 1,000
9.39円 = (128,100-85,400) × 0.22÷ 1,000
沖縄電力・2023年4月1日より値上げ予定
沖縄電力の特定小売供給約款変更認可申請書はネットで公開されていますので、誰もが確認できる状態です。計算式に沿って計算をしてみます。
- 燃料費調整単価 = (平均燃料価格 – 基準燃料価格) × 基準単価 ÷ 1,000
- 11.29円 = (122,700-81,800) × 0.276÷ 1,000
東京電力・規制料金従量電灯B・2023年6月以降の最大料金
東京電力は2023年6月から従量電灯Bの値上げを行います。燃料費調整単価の上限を確認出来ましたので、今の様に上限値まで高騰した時の電気代を確認して、今後の対策を考えます。
2022年11月・東京電力従量電灯Bの燃料費調整単価の上限は5.13円でした。値上げ後は8.62円が上限となり、従量分も値上げします。最悪上限まで行った場合を試算します。
- 基本料金→1,144円
- 従量電灯1段階→34.84円×120=4,180.8円
- 従量電灯2段階→41.44円×180=7,459.2円
- 従量電灯3段階→45.53円×233=10,608.5円
- 再生エネルギー賦課金→3.45円×533=1,838.9円
- 燃料費調整→8.62円×533=4,594.5円
合計29,827円です。19,991円から約10,000円の上昇です。2023年6月に燃料費調整の基準単価を94,200円にあげていますので、ここまで急騰はないと思いますが、心の準備は必要です。
ちなみに同条件でアクアエナジー100で試算すると、2,244円+(23.83円×300kWh)+(30.57円×233kWh)+(3.45円×533kWh)で18,355円です。
燃料費の平均価格が94,200円を下回れば、割引がされますが、未来の事は予想がつきません。住宅ローンを選ぶときに、変動か固定か決めるのに似ています。私は上限設定のある従量電灯Bをお勧めします。スタンダードSには生活かけつけサービスや0.5%のポイント還元がありますが、値段と安心感を推します。