2023年1月11日アクアエナジー100の受付が停止
東京電力から発売されている燃料費調整単価が無い電気料金プランアクアエナジー100の新規受付が停止されました。悲しすぎます。
2023年1月10日にプレスリリースがされ翌日の2023年1月11日に停止というスピード対応です。
アクアエナジー100とは
東京電力の発電所で水力発電で発電したものとみなした電気の使用なので、燃料費調整単価という考えがありません。
基本料金は少しお高めですが、従量電灯Bの燃料費調整単価5.13円を今後超えてくる事を考えると、多くの家庭で切り替えるメリットがある料金プランです。
どこまで値上げが続くのか心配ですし、定期的に電気料金の見直しをするのも手間ですので、燃料費調整単価の束縛から脱出です。詳細記事はこちら
加入可能地域・契約可能者数に上限があります
まず加入可能地域ですが、関東エリアの栃木・群馬・茨城・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨・静岡県(富士川以東)のみです。日本全国誰もが申し込めるプランではありません。
またホームページに記載はありませんが、その仕組み上契約者数に上限があるものと考えます。アクアエナジー100は、水力発電所での発電量が、契約者が使う電気の量を常時上回ることをもって、水力100%の電気とみなす仕組みです。自分の使っている電気が火力電源か水力電源かは分けられないので止むを得ません。
東京電力の電源構成をホームページで確認したら水力発電はわずか3%でした。アクアエナジー100の電源構成は出力3万kW未満が半分ありますので、ザックリ6%がアクアエナジー100の電力として利用可能という事になると考えます。法人の方が電気を使うので単純に平均割はできませんが、100人契約者がいたら6人しか割り当てがされないという感じです。
実際は、電力使用量が少ない人は従量電灯のほうがメリットがありますので、そもそもこのプランを選択しない場合もありますので、それほど気にしなくても大丈夫かもと考えていましたが、突然の停止。アクアエナジー100の契約者の使用量が水力発電で発電量を超過したとは考えられないので、とても残念です。
ただ企業の戦略ですので止むを得ません。楽天モバイル無料運用廃止と同じぐらい悲しいですが、楽天モバイルと異なり、既存契約者はそのまま利用可能と強制以降は実施されません。アクアエナジー100の契約者は一安心です。
アクアエナジー100の受付停止プレスリリース全文
当社は、2017年6月、関東エリアのご家庭のお客さまを対象に、国内初の家庭向けグリーン電力プラン「アクアエナジー100(以下、本プラン)」の販売を開始いたしました(2017年6月1日お知らせ済み)。
その後、本プランの販売を通じて、水力電源の維持・拡大など環境に配慮した事業活動に取り組んでまいりましたが、昨今の世界的な資源価格の高騰を背景とした燃料・卸電力市場価格の高騰等により広くお客さまにご負担をおかけしている中、燃料費調整制度を適用していない本プランの電気料金が、当社の標準的なプランに比べ大きく乖離している現状を踏まえ、2023年1月11日をもって、本プランの新規お申込み受付を一時停止させていただくことといたしました。
なお、既に本プランにご契約またはお申込みいただいているお客さまにつきましては、引き続き、本プランをご利用いただけます。
当社は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、資源価格や事業環境の状況等も勘案した上で、今後の本プランのお申込み受付再開や新たなサービスの展開等を検討してまいります。
対策と今後・東京電力の従来の従量電灯Bに逃げ込む
アクアエナジー100に申し込めない以上は従量電灯Bに移行が最善策です。東京電力の規制料金・従量電灯Bは燃料費調整単価の上限がありますので、最大1kwhあたり5.13円の負担ですみます。2023年1月利用分からは1kwhあたり7円の割引が適用されますが、上限が5.13円と決まっていますので、割引額の見込みが立ちます。
一時停止と記載があるので燃料費の高騰が落ち着いたら再開の可能性はあります。ただ燃料費が落ち着いたら、割高なアクアエナジー100を申し込む理由が自分にとっては無くなります。
規制料金(従量電灯B)は自社のみで値上げできません
規制料金はすぐに値上げができません。規制料金は認可が必要な為、その審査に4か月程度かかります。難しい判断だと思いますので、有識者会議の開催など段取りがあります。4か月程度の猶予はありますので、その間にどの会社・プランに乗り換えるか検討する時間は十分にあります。電力業界で勤務した事がないので実態の肌感覚はないですが、認可手続きに時間がかかるのは事実です。
申請後審査なので、従量電灯Bのメリットを受ける期間はまだあります。
古い資料ですが、資源エネルギー庁作成の資料がネットで公開されています。