2022年東京電力規制料金(従量電灯B)値上げの回避先はアクアエナジー100で決まり

2023年から規制料金値上げ対策はアクアエナジー100(東京電力管内)

2022年11月ついに東京電力から燃料費調整単価上限のある、従量電灯Bの値上げ検討開始のニュースリリースが出されました。2012年以来10年ぶりの値上げです。2022年上半期の決算は1,400億円の赤字状態ですので、限界を超えてきている状態と考えます。火力発電を行うための燃料費が高騰していますので、値上げは避けされない状況です。地域電力会社は10社ありますが、どこも苦しい台所ですので、どこまで耐えられるかです。

  1. 北海道電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・3.66円→現状維持
  2. 東北電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・3.47円→値上げ
  3. 東京電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・5.13円→値上げ検討
  4. 中部電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・5.36円→現状維持
  5. 北陸電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・9.64円→値上げ(最初に値上げ宣言)
  6. 関西電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・2.24円→現状維持
  7. 中国電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・14.36円→値上げ
  8. 四国電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・11.21円→値上げ検討
  9. 九州電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・1.94円→値上げ検討
  10. 沖縄電力・従量電灯燃料費調整単価2022年12月・17.98円→値上げ検討

電気代値上げの対策として燃料費調整単価設定のある従量電灯を推奨してきましたが、この規制がはずれてしまうと、燃料費調整単価に依存しない電気料金プランが必要です。そんな都合のよい電気料金プランはあるのかと思って調べていたら、そんな声にお応えするかのようにアクアエナジー100という燃料費調整単価が0円の電気プランが東京電力にありました。すごい。【2022年11月時点】

2022年の8月以降の燃料費調整額推移

売上高6兆円の大企業東京電力でもエネルギー資源の高騰には太刀打ちできません。多くの会社が価格を引き上げているように電気代もコストを価格に転嫁出来る仕組みが備わっています。

公益企業ですので、倒産は一大事です。消費者は選択の余地なく、コスト上昇を負担する仕組みになっています。それが1996年に導入された燃料費調整額です。

何気なく支払っている電気代ですが、燃料費調整によって電気代は大きく変わります。2022年8月以降規制料金の従量電灯と自由化料金でで燃料費調整単価の差が拡大しています。9-12月の4か月の差分の合計が15.66円です。この金額は大きい。単価が低いので気にされない人もいるかもしれませんが、月500kwh×4か月×15.66=31,320円です。多少ポイント還元があっても差額が大きすぎます。いつ終わるかわからない燃料費調整単価上昇から逃れるためには、火力電力に頼らない、水力・風力・太陽の電力を売るプランが求められています。

規制料金(従量電灯B)は自社のみで値上げできません

今後この値上げの動きは他社に波及する可能性がありますが、規制料金はすぐに値上げができません。規制料金は認可が必要な為、その審査に4か月程度かかります。難しい判断だと思いますので、有識者会議の開催など段取りがあります。となると他社が発表したとしても4か月程度の猶予はありますので、その間にどの会社・プランに乗り換えるか検討する時間は十分にあります。電力業界で勤務した事がないので実態の肌感覚はないですが、認可手続きに時間がかかるのは事実です。

古い資料ですが、資源エネルギー庁作成の資料がネットで公開されています。

アクアエナジー100は燃料費調整単価がありません

東京電力の発電所で水力発電で発電したものとみなした電気の使用なので、燃料費調整単価という考えがありません。

基本料金は少しお高めですが、従量電灯Bの燃料費調整単価5.13円を今後超えてくる事を考えると、多くの家庭で切り替えるメリットがある料金プランです。

どこまで値上げが続くのか心配ですし、定期的に電気料金の見直しをするのも手間ですので、燃料費調整単価の束縛から脱出です。

基本料金は従量電灯のほぼ2倍

基本料金が高いのがこのプランの弱点ですが、燃料費調整単価がここまで上昇していますので、その弱点以上のメリットがあります。家族3-4人だと40A契約が多いと思いますが、基本料金は従量電灯が1,144円に対して、2,244円ですので倍近い料金設定です。この点は理解しておく必要があります。

燃料費調整単価の計算項目が無い・0円です

基本料金が高くても燃料費調整単価が無いのは大きなメリットです。2022年10月の請求書を見てみると、435kwhの利用で燃料費調整単価が3,510円です。基本料金が1,100円上がっても十分PAYできます。再生エネルギー賦課金の計算方法は従量電灯と同じです。

切替の損益分岐点を検討

アクアエナジーの料金は300kwhを閾値とした2段階料金です。基本料金の固定費と電気使用量・再生エネルギー賦課金の変動費がありますので、このプランが我が家に取ってお得なのか損益分岐点を確認する必要があります。

有料版のエクセルであればゴールシーク機能を使って損益分岐点を簡単に逆算していけるのですが、家のExcelは無料版でゴールシークが選択できません。なので足し算と割り算で簡易な表を使って確認します。節約の為、家のパソコンは有償版エクセルを使っていないのが痛し

我が家の年間平均電気使用量は474kwhで、契約アンペアは40Aです。従量電灯が120kwhまでが、19.88円・121-300kwhまでが、26.48円・300kwh超が30.57円なので、300kwh以上はアクアエナジー100と同じ料金である事を考えると、燃料費調整単価が無い分、300kwh以上使う家庭であれば、安価になりそうと、料金体系をみて感じますが、念のためエクセルで計算します。(エクセルは文系人間には欠かせません。)

足し算・割り算・掛け算のシンプルエクセルで試算をしましたが、イメージ通り平均電気利用量である474kwhで計算すると、比率で8%・金額で約1,500円程度お得です。300kwh以下になる事がないので、従量電灯で常に計算される燃料費調整単価が無い分、基本料金が高くても切り替えで損をする事はなさそうです。

今回このお手製のエクセル比較に1時間かかりました。エクセルは価格が高いので家では無償版エクセルを使っています。有償エクセルであればゴールシーク機能や損益分岐点グラフでもう少し早く且つわかりやすくなると思うのですが、家庭用なのでこれでよしとします。


注意
燃料費調整単価が5.13円を超えてきているのが前提ですので、燃料費調整単価が3円を切りそうになったら、もとのスタンダードSに戻すか、他社の自由化料金プランを検討します。

動画で解説