2023年5月・基本料金0円の電力会社比較

一人暮らし向け基本料金0円の電力会社を調査

九州地方中に単身赴任中なので、電気代はマイホームと赴任先で2ヶ所負担しています。一人暮らしだと電気はあまり使わず、基本は120kWh以下なので基本料金の負担が大きい状態です。

2023年3月の請求をみてみると、73kWhの利用で2,506円です。その中で基本料金が810円と3割以上を占めています。

電力自由化以降、基本料金が無い電力会社が何社も出ています。基本料金が無くなれば、使った分だけですので料金も納得感があります。

目指すは、従量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金+燃料費調整額のみの電気プランです。最近出てきた、燃料費調整単価にプラスして電源調達調整費・電力市場連動額を請求する電気プランは必要としていません。ただ昨年来の燃料費の高騰により多くの企業が、市場高騰の価格を価格に転嫁するプランに移行中です。

単身赴任先(一人世帯)向けの、最安の基本料金0円プランを探します。

基本料金0円+従量料金+再エネ賦課金+燃料費調整額のみの電気プランを探す

2023年6月以降、多くの会社が電源調達調整費・電力市場連動額を導入しています。2022年に発生した燃料費の高騰を受けて、JEPX(日本卸電力取引所)の取引額を価格に反映させる仕組みです。その負担は私たちです。

市場の価格を反映という事なので、普段は見ませんがJEPXの価格推移をみると2022年をピークに少し落ち着いているようです。ただ1kWh当たり20円もします。倍で売らないと利益は出なそうと素人ながら感じます。

最近は落ち着いていますが、電気高騰が大きな話題になった2021年1月は30分単位で見ると120円に達している時間帯もあります。(その月の平均は66円)



東京エリア
2023年5月比較
月100kWh
使用時の
料金
基本
料金
0-120
kWh
121-300
kWh
301-400
kWh
401
kWh超
燃料費
調整単価
2023/05
再エネ
発電促進
賦課金
Japan電力 ¥3,010   ¥-  ¥27.00  ¥27.00  ¥27.00  ¥26.00  ¥1.65   ¥1.45
0円でんき ¥3,853  ¥-  ¥27.87  ¥27.87  ¥27.87  ¥27.87  ¥9.21  ¥1.45
Vポイント・30A ¥3,943   ¥885.72   ¥19.91   ¥26.51   ¥30.59   ¥30.59   ¥9.21   ¥1.45 
ソフトバンク
しぜんでんき
¥4,065  ¥-  ¥29.99  ¥29.99  ¥29.99  ¥29.99  ¥9.21  ¥1.45
楽天でんき ¥4,300  ¥-  ¥41.55  ¥41.55  ¥41.55  ¥41.55  ¥-  ¥1.45
以下30分単位
の市場連動
Looopでんき ¥1,656  ¥-  ¥15.11  ¥15.11  ¥15.11  ¥15.11  ¥-  ¥1.45
リミックスでんき ¥1,906  ¥-  ¥17.61  ¥17.61  ¥17.61  ¥17.61  ¥-  ¥1.45

Japan電力が激安です。激安の秘密を深堀します。現状Vポイントでんきを契約していますが、100kWh使った場合で3,943円に対して、Japanでんきは3,010円です。

Japan電力

安価推しの電力会社です。2023年5月の調整単価が1.65円と激安です。しかも2023年6月は0円です。東京電力の2023年6月の燃料費調整単価が7.91円という事を考えると、8円の差が出ています。この差はどこから来るのか不思議です。

東京電力・2023年5月燃料費調整単価9.21円の計算式

  1. 2023年5月算定に使う平均燃料価格は83,900円
  2. 基準燃料価格は44,200円
  3. 83,900-44,200=39,700円(想定よりまだ高い状態)
  4. 基準単価は0.232円(関東エリア)
  5. 想定より高った金額39,700円×基準単価0.232円÷1,000=9.2104円→9.21円
平均の貿易統計期間 燃料費調整制度に
おける平均燃料価格
燃料費調整単価 対象月
2022年8月~2022年10月(東京電力・関東) ¥100,200 ¥12.99 2023年1月
2022年9月~2022年11月(東京電力・関東) ¥100,400  ¥13.04  2023年2月
2022年10月~2022年12月(東京電力・関東) ¥94,600 ¥11.69 2023年3月
2022年11月~2023年1月(東京電力・関東) ¥88,400 ¥10.25 2023年4月
2022年12月~2023年2月(東京電力・関東) ¥83,900 ¥9.21 2023年5月
2023年12月~2023年3月(東京電力・関東) ¥78,300 ¥7.91 2023年6月

Japan電力・2023年5月燃料費等調整単価1.65円の計算式

東京電力の燃料費調整単価に対して燃料費調整単価という表現です。2023年5月でみると、7円の割引があるので、燃料費等調整単価は1.65円です。

  1. 燃料費等調整単価=「固定電源比率×燃料費調整単価」+「変動電源比率×調達費調整単価」
  2. 九州電力は離島ユニバーサル調整単価を加算

固定電源比率がでれば、残りが変動電源比率です。加えて、燃料費調整単価と調達費調整単価を調べる必要があります。

  1. 燃料費調整単価は地域の特定小売供給約款に準じると明記あり
  2. 東京電力管内なら2023年5月は、39,700円×基準単価0.232円÷1,000=9.21円

固定電源比率に使われている燃料費調整単価が9.21円なので、調達費調整単価がマイナスにならないと燃料費調整単価は1.65円になりません。なのでマイナス(還元時)の計算式を使います。

  1. 調達費調整単価=【(JEPXエリアプライス1か月平均値×調整係数)-還元基準値】×1.1
  2. 2023年5月・東京エリア還元基準値6.0円
  3. 調整係数は 1.3 (電力需給約款に明記)
  4. 2023年4月のJEPXエリアプライス1か月平均値は9.8円(東京)
  5. 調達費調整単価7.41円=【(9.8円×1.3)-6円】×1.1

燃料費調整単価が東京電力と同じで9.21円というのは理解できます。一方で調達費調整単価がプラスになっています。還元なのでJEPXエリアプライスが仮に3円であれば、-2.31円=【(3円×1.3)-6円】×1.1で還元になります。電力需給約款に記載の計算式だと合いません。

固定電源と変動電源が半分づつだとすれば、9.21円+7.41円=16.62円の半分で8.31円で他社並みです。 電力需給約款には固定電源比率について「当社所定の基準により算出した数値を、当社が適当と判断した方法によりお客さまに事前に開示」と記載がありますが、ホームページでは見つけられませんでした。(電力需給約款

ホームページ掲載資料・電力需給約款を確認する限りは、燃料費等調整単価1.65円については特別な判断があったのではと考えます。約款にも明記がされており柔軟な対応が出来るようになっています。

燃料費等調整額の個別対応
当社の裁量により、燃料費等調整額の加減算について、当社が適当と判断した方法により事前にお客さまに通知することで、燃料費等調整額の加減算を分割にて行うことまたは燃料費等調整額の一部または全部を加算しないことができるものとします。

燃料費等調整単価は電気市場の価格を反映させる仕組みになっていますが、東京電力管内なら市場が1kWh当たり6円以下なら割り引かれるという事です。JEPX(日本卸電力取引所)エリアプライス1か月平均値が13円を超えたら追加で請求がされますが、現状落ち着いています。

とても魅力的ですが、1年以内の解約には3,000円手数料が発生しますので、契約には慎重にならざるを得ません。

0円でんき

運営会社は株式会社オカモトという企業です。グループで1,000億を超える企業規模があります。多くの会社が電力市場連動額を導入する中、燃料費調整単価のみで踏ん張ってサービスを提供しています。

ただ契約が1年単位で、1年未満で契約を終了する場合は、違約金として3,000円の支払いが生じます。違約金なく自由に電力会社を変えれる点にメリットを感じていますので、いいサービスですが違約金がある時点で、契約はしません。

ソフトバンクしぜんでんき

従量分の単価は比較的安価ですが、2023年6月1日から電力市場連動額が導入されます。電力自由化・新電力市場で業界2位の会社ですら、市場価格の高騰を自社ではカバーできず消費者に負担を求めています。企業規模の安心感はありますが、安価ではありません

楽天でんき

 

従量分が高いです。1kWhあたり40円を超えています。沖縄エリアのみ燃料費調整単価で電気料金を算定していますが、電気市場の価格を消費者に転嫁させています。

電気市場が落ち着いていますので、市場価格調整単価は0円となっていますが、そもそもの設定が高いです。

LoooPでんき(東京電力管内)の考察

最大の特徴が30分毎に電気料金が変わる料金体系です。過去最大で1kWhあたり120円に達したこともあるので、このプランを契約するのはメリットデメリットを確り把握してから契約する必要があります。

基本料金0円・燃料費調整単価制度はなく、単身赴任先(一人暮らし)は日中は家にいませんので、安価な料金の電気を使えそうです。自由化ぽい料金プランです。

単身赴任先で昨年最大の電力利用は116kWhでしたので、116kWh×120円=13,920円の最大負担を覚悟すれば、仕組みとしては活用できそうです。

ただ注意点があります。固定従量料金の存在です。電気を送る費用・サービスを提供する費用として、東京電力管内なら1kWhあたり15.11円もかかります。同じような仕組みを導入しているリミックスでんきは17.61円なので、これでも少し安価です。

動画で解説